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… おわりに洞神部の経典群はすでに述べたように,哲人としての老子を神格化した太上老君の教誡を経典化したものといわれ,三洞のなかでは成立の時期が最も早い。洞神部の代表的な道教経典である《正一法文天師教戒科経》によれば,太上老君は後漢の順帝の漢安元年(142),蜀の臨邛(りんきよう)の赤石城で正一盟威の道を〈正一法文天師〉すなわち張道陵(張陵)に授けたといい,同じく《北斗本命長生妙経》によれば,太上老君はさらに後漢の桓帝の永寿元年(155),蜀郡に下降して天師の張道陵に《北斗延生妙経》を授与したという。《北斗延生妙経》は《雲笈七籤》星辰部に〈北斗延生神呪〉の記述が見えているように漢・魏・六朝時代の北斗七星の呪術信仰を主題とし,〈正一盟威の道〉とは,《雲笈七籤》巻二十八,治部の記述によれば,〈三天を統承し……鬼気を整理する〉呪術宗教的な性格の顕著な道術であった。…
※「張道陵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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