精選版 日本国語大辞典 「道士」の意味・読み・例文・類語
どう‐し ダウ‥【道士】
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出家得度して道教の教団に属し、道観や廟(びょう)に居住する人。道流、羽士(うし)、黄冠(こうかん)などの別称がある。秦(しん)・漢時代の方士(ほうし)はその先駆である。道士になるには、師を拝してその徒弟となり、所定の資格を得ると道籙(どうろく)(免許証)や字号(法名)を授けられる。僧のように剃髪(ていはつ)はせず、髻(まげ)に結って冠(かんむり)や巾(きん)をつけ、道服を着る。女子もまた出家して女道士となるが、これは道尼(どうに)、道姑(どうこ)、また、髪を蓄えて冠をつけたから女冠(じょかん)ともよばれた。
正規の道士のほか、俗世間に住んで妻帯肉食をしながら祈祷(きとう)などに従事する者もあり、これを火居(かきょ)道士とよんだ。出家道士には階級や職名があるが、全真教ではたとえば長春真人丘処機(きゅうしょき)などのように学徳高い祖師を真人(しんじん)と敬称した。正一(しょういつ)教(天師道)では代々の管長は天師とよばれた。
[澤田瑞穂]
中国で,道教の修行につとめ,道教の儀礼をとり行う専門家をいう。仏教における僧侶にあたる。元来,〈道人〉の語とともに広く〈有道の士〉を意味し,仏教の僧侶もこの語でよばれることがあった。同時にこの語には〈道術の士〉〈方士〉の意味がそなわっており,およそ4世紀以後,もっぱら道教の専門的実修者をさすようになった。女性の道士は〈女道士〉とも〈女冠〉ともよばれる。
執筆者:吉川 忠夫
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…中国古代において〈方術〉と呼ばれる技術,技芸を駆使した人たち。〈術士〉〈方術士〉〈道士〉などとも呼ばれた。方士の起源は戦国時代の斉や燕など東方の沿海地域にもとめられ,もっぱら鬼神と通ずる術をあやつって〈巫〉に類似するが,その術は斉の学者の鄒衍(すうえん)の思想によって潤色された。…
※「道士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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