道士(読み)ドウシ

デジタル大辞泉 「道士」の意味・読み・例文・類語

どう‐し〔ダウ‐〕【道士】

《「どうじ」とも》
道義を体得した人。
仏道を修めた人。僧侶
道教を修めた人。道人
神仙の術を修めた人。仙人
[類語]隠者世捨て人隠士仙人

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精選版 日本国語大辞典 「道士」の意味・読み・例文・類語

どう‐しダウ‥【道士】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「どうじ」とも )
  2. 道義を体得した人。有道の士。君子。〔書言字考節用集(1717)〕 〔新序‐節士〕
  3. 仏道を修めた人。仏門にある人。特に、俗人に対して僧侶をいう。
    1. [初出の実例]「前世にして衡山にて法花経を説給し時、我等は盧岳の道士として時々まゐりて聞きし人々なり」(出典:観智院本三宝絵(984)中)
    2. [その他の文献]〔盂蘭盆経疏‐下〕
  4. 道教をおさめた人。道教の師。道家
    1. [初出の実例]「何况んや、五岳の道士と云ふ者、其の数有り」(出典:今昔物語集(1120頃か)六)
    2. [その他の文献]〔漢書‐王莽伝下〕
  5. ( から ) 神仙の術を行なう者。仙人。方士。
    1. [初出の実例]「鶏雛不老仙人署、麝剤初穿道士園」(出典:菅家文草(900頃)二・九日侍宴、観賜群臣菊花)
    2. [その他の文献]〔郭璞‐遊仙詩〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「道士」の意味・わかりやすい解説

道士
どうし

出家得度して道教の教団に属し、道観や廟(びょう)に居住する人。道流、羽士(うし)、黄冠(こうかん)などの別称がある。秦(しん)・漢時代の方士(ほうし)はその先駆である。道士になるには、師を拝してその徒弟となり、所定の資格を得ると道籙(どうろく)(免許証)や字号(法名)を授けられる。僧のように剃髪(ていはつ)はせず、髻(まげ)に結って冠(かんむり)や巾(きん)をつけ、道服を着る。女子もまた出家して女道士となるが、これは道尼(どうに)、道姑(どうこ)、また、髪を蓄えて冠をつけたから女冠(じょかん)ともよばれた。

 正規の道士のほか、俗世間に住んで妻帯肉食をしながら祈祷(きとう)などに従事する者もあり、これを火居(かきょ)道士とよんだ。出家道士には階級や職名があるが、全真教ではたとえば長春真人丘処機(きゅうしょき)などのように学徳高い祖師を真人(しんじん)と敬称した。正一(しょういつ)教(天師道)では代々の管長は天師とよばれた。

[澤田瑞穂]

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改訂新版 世界大百科事典 「道士」の意味・わかりやすい解説

道士 (どうし)
daò shì

中国で,道教の修行につとめ,道教の儀礼をとり行う専門家をいう。仏教における僧侶にあたる。元来,〈道人〉の語とともに広く〈有道の士〉を意味し,仏教の僧侶もこの語でよばれることがあった。同時にこの語には〈道術の士〉〈方士〉の意味がそなわっており,およそ4世紀以後,もっぱら道教の専門的実修者をさすようになった。女性の道士は〈女道士〉とも〈女冠〉ともよばれる。
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百科事典マイペディア 「道士」の意味・わかりやすい解説

道士【どうし】

中国,道教の実修者の総称。仏教の僧,僧侶に相当し,本来の〈有道の士〉と〈道術の士〉〈方士〉の両義がある。女性道士は〈女道士〉〈女冠〉。
→関連項目永楽宮

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「道士」の意味・わかりやすい解説

道士
どうし
dao-shi

もとは,儒家,道家などいずれの学派しろ,その説く道を求めるりっぱな人をさす語であった。漢代から方術が盛んになるにつれ,不老長生などの方術を修める者をいうようになり,さらに,道教教団が成立すると,主として,専門に道教を修行する人をさすように変化した。

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普及版 字通 「道士」の読み・字形・画数・意味

【道士】どうし

方士。

字通「道」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の道士の言及

【方士】より

…中国古代において〈方術〉と呼ばれる技術,技芸を駆使した人たち。〈術士〉〈方術士〉〈道士〉などとも呼ばれた。方士の起源は戦国時代の斉や燕など東方の沿海地域にもとめられ,もっぱら鬼神と通ずる術をあやつって〈巫〉に類似するが,その術は斉の学者の鄒衍(すうえん)の思想によって潤色された。…

※「道士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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