当合(読み)あたりあう

精選版 日本国語大辞典 「当合」の意味・読み・例文・類語

あたり‐あ・う ‥あふ【当合】

〘自ハ五(四)〙
相手になって争う。わたりあう。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一三「他人の議論意見に抵攩(ていとう)(〈注〉アタアフ)せずして、虚心にこれを斟酌商量すべき事なり」
② ぴったり合う。一致する。
人情本春色梅児誉美(1832‐33)三「はづす心とはづさせる心の中は当(アタ)り合(アフ)

あたり‐あい ‥あひ【当合】

浮世草子・俗つれづれ(1695)一「冷水四五盃、息せはしなく飲むと、あたりあひの枕引よせ、大鼾(いひき)して一日の酔狂夢にや見るらん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の当合の言及

【検見】より

…畝引検見取法は近世初頭の検地に基づく上・中・下・下々などの田品ごとに定められた根取米(1反当り取米)を,籾5合摺りとして2倍して300で除し,1坪当りの籾量を出す。これを当合(あたりあい)といい,代官・手代が各田品限りに検見坪刈りし,検見籾量が各当合より多いときは過剰分を不問に付し,少ないときは不足分を損毛として田品おのおのの反別もしくは石高に換算して控除(畝引)し,残りの反別または石高に対して年貢を賦課する方法である。しかし検地当時の位・石盛(こくもり)が生産力の発展に伴い現実にそぐわなくなり,検地帳が紛失して位・石盛がわからなくなった場合もあって,位・石盛やそれに対応する根取米・当合を廃し,実際の収穫高をもとに年貢を決定する法として有毛検見取法が行われた。…

【畝引検見】より

…近世初頭の検地に基づく上・中・下・下々などの耕地の等級ごとに定められた根取米(1反当り取米)を,籾5合摺り(籾1升が米5合に当たる)として2倍し,300坪で除して1坪当りの籾量を出す。これを当合(あたりあい)といい,代官・手代が各田品(上・中・下・下々など)ごとに検見坪刈りし,検見籾量が各当合より多いときは過剰分を不問に付し,少ないときは不足分を損毛として田品ごとの反別もしくは石高に換算して控除(畝引)し,残りの反別または石高に対して当合を乗じて年貢を賦課する。元来,田方稲作に行われたが,畿内では畑方綿作にも適用された。…

※「当合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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