一日(読み)いちにち

精選版 日本国語大辞典「一日」の解説

いち‐にち【一日】

〘名〙
① 午前零時から午後一二時までの間。古くは、ある日の一時点から次の日のその時点までの間をさすこともあり、また、朝から翌朝までの間をさすこともある。いちじつ。
※令義解(718)神祇「三日斎為中祀。一日斎為小祀
※今昔(1120頃か)六「馬より落て悶絶して死入ぬ、一日を経て活(よみがへり)て」
② 朝から日暮れまでの間。日の出ている間。また、起床から就寝までの間。ひとひ。ひねもす。終日。→一日一夜
※延喜式(927)一一「凡国忌者、治部省預録其日并省玄蕃応行事官人名官。前一日少納言奏聞」
※怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一〇「昨日は終日(イチニチ)畠耕(はたけうな)ひをして居たが」
③ ほんの短い日時のたとえ。わずかの日時。しばらくの間。短時日。「ローマは一日にして成らず」
徒然草(1331頃)九三「一日の命、万金よりも重し」 〔春秋公羊伝‐文公九年〕
④ ある日。また、いつぞや。先日。〔日葡辞書(1603‐04)〕
の最初の日。いちじつ。ついたち。

ひと‐ひ【一日】

〘名〙 (「ひとい」の時代も)
① 日の数一つ。いちにち。また、いちにちの間。一日中。終日日一日
※万葉(8C後)一五・三六〇四「妹が袖別れて久になりぬれど比登比(ヒトヒ)も妹を忘れて思へや」
② 暦の月の初めの日。ついたち。朔日。
※曾丹集(11C初か)「空をそふ乙女の衣ひとひよりあまの川波立ちぞ寄るらし」
③ 過去のある一日。ある日。某日。先日。
蜻蛉(974頃)上「ひと日の風はいかに」

いち‐じつ【一日】

〘名〙 (「いち」は「一」の呉音、「じつ」は「日」の漢音) =いちにち(一日)
※文明本節用集(室町中)「有能一日(イチジツ)其力於仁
※浮世草子・日本永代蔵(1688)二「見世をはなれず、一日(ジツ)筆を握(にぎ)り」
[補注]現代では「一日(イチジツ)の長」「一日(イチジツ)千秋」のような固定した表現に用いられる程度で、使用範囲は狭い。

いち‐んち【一日】

〘名〙 「いちにち(一日)」の変化した語。
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「旦那に透を待居(まって)ちゃア一日(イチンチ)埒明ねへから」

ひと‐え ‥へ【一日】

〘名〙 「ひとひ(一日)」の変化した語。
※浮世草子・椀久一世(1685)下「ひとへの日は又日和よかれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「一日」の解説

いち‐にち【一日】

午前零時から午後12時までの24時間。一昼夜。また、ある時刻から24時間後までの場合にもいう。いちじつ。
朝から日暮れまで。ひとひ。終日。「充実した一日を送る」
月の第1日。ついたち。
ある日。いちじつ。「一日花の山を訪れる」
わずかの日時のたとえ。「ローマは一日にしてならず」
[補説]作品名別項。→一日

ひと‐ひ【一日】

いちにち。また、いちにちじゅう。終日。「一日野辺に遊ぶ」「一日読書にふける」
ある日。先日。
「―の御返り、いかで給はらむ」〈かげろふ・中〉
ついたち。朔日(さくじつ)。
「けふは卯月(うづき)の―かは」〈今昔・二八・一二〉

いちにち【一日】[書名]

原題、〈イタリアIl Giorno》イタリアの詩人、パリーニによる4部構成の風刺詩。1763年から1801年にかけて「」「」「」「」を刊行(うち「夕」「晩」は未完で、著者没後の刊行)。

つい‐たち【一日/朔日/×朔】

《「つきた(月立)ち」の音変化》
月の第1日。いちじつ。いちにち。
陰暦で、月の初めごろの日々。上旬。初旬。
「十二月(しはす)の―五日と定めたるほどは」〈落窪・二〉

いち‐じつ【一日】

月の第1日。ついたち。「七月一日
一つの日数。いちにち。
「彼は―も早く父に逢って話をしたかった」〈漱石それから
ある日。いちにち。「秋の一日古都を歩く」

いっ‐ぴ【一日】

月の第1日。ついたち。いちにち。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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