得同名(読み)とくどうみよう

日本歴史地名大系 「得同名」の解説

得同名
とくどうみよう

近世の徳童とくどう村を遺称地とする竹野東たかのとう郷内の名。徳筒の表記もみられる。元亨四年(一三二四)二月一三日に沙弥道覚(三池貞宗)が嫡子貞鑑に譲渡した所領に「竹野東郷得同・金丸両名」がある(「沙弥道覚処分状案」三池文書/鎌倉遺文三七)。なお弘安二年(一二七九)一二月二八日、道覚の父安芸木工助師時が肥後国なまず郷内得次名(現熊本県嘉島町)の替地として宛行われた所領は「竹野庄内得久・金丸名主職」であるが(「将軍家政所下文」児玉採集文書/鎌倉遺文一八)、「得久」は「得同」の誤記ないし誤認の可能性が強い。この所領は建武三年(一三三六)三月二五日に沙弥道喜(三池貞鑑)から嫡子助太郎貞元へ譲与され、その譲状(新編会津風土記七所収国分文書/南北朝遺文(九州編)一)では「竹野東郷得重・金丸両名」となっており、「得重」は得童(得同)の書誤りとみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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