御岳道(読み)みたけみち

日本歴史地名大系 「御岳道」の解説

御岳道
みたけみち

甲信国境にある金峰きんぷ(甲斐御岳山)に参詣するための道の総称。「甲斐国志」山川部によれば、甲斐国内の登り口は九ヵ所。南口は吉沢きつさわ亀沢かめざわ(現敷島町)塚原つかはら(現甲府市)、東口は万力まんりき(現山梨市)西保にしぶ杣口そまぐち(現牧丘町)、西口は穂坂ほさか(現韮崎市)江草えぐさ小尾おび(現須玉町)で、北口は信濃国佐久さく川端下かわはけ(現長野県川上村)から登った。

甲斐国側各ルートの概略を記すと、

(一)吉沢口 吉沢村から北へ真っすぐ沢筋を登り(外道坂)、到達した尾根筋を東に向かって羅漢寺らかんじ山から御岳村(現甲府市)金桜かなざくら神社に至る。これを下道げどう(外道)といい、江戸時代後期の主要ルートだったが、それ以前は吉沢の西にある尾根を登る道のほうが古いといわれ、上道とよばれた。天保一四年(一八四三)に長田円右衛門によってあら川沿いの御岳新道が開かれると、中心は新道に移った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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