高山を意味するタケ(岳,嶽)の尊称で,神のすむ聖なる山岳のことであり,オタケ,オンタケとも呼んでいる。こうした山岳は本来遠くから遥拝するものであったが,山岳修行者の入山と指導あるいは影響を受け,山頂へ登拝するようになり,今日では各地の山々で精進潔斎の後に登山するタケマイリ(岳参り)の習俗が行われている。また高山一般を意味するほか,大和の金峰山(きんぷせん)をはじめ,そこにまつられている蔵王権現を勧請(かんじよう)した山々を指してとくに御岳(嶽)山と呼ぶ場合がある。大和の金峰山が金御岳(かねのみたけ)と称され,平安時代には御岳詣(みたけもうで),御岳精進(みたけそうじ)が盛んに行われていたが,山岳信仰における金峰山の地位が高まり確立するに及んで,山岳修行者たちの手によって金峰山信仰は各地に伝えられた。それが大和金峰山に対する国御岳(くにみたけ)であり,木曾の御嶽(おんたけ)山,武州御岳山,甲州御岳山などはその代表的な存在である。一方,南島の御嶽(おたけ)/(うたき)は山岳信仰として一定の高さが必要であるミタケのより原初的形態といえる。
執筆者:宮本 袈裟雄
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…標高616m。御(お)岳ともいい,南東方の華(げ)山(713m)とともに豊田県立自然公園の一部で,国の名勝に指定されている。頂上を弥山(みせん)と呼び,古くから霊山として信仰の対象となっていた。…
…直径8~10km,面積約80km2。島のほぼ中央には御岳(おたけ)(北岳。1117m),中岳(1060m),南岳(1040m)の主峰が連なり,山麓には溶岩円頂丘の権現山,引ノ平,春田山,軽石丘の鍋山など多数の溶岩流が側火山として分布している。…
…鹿児島郡十島(としま)村に属する。島の中央にある御岳(おたけ)(799m)は典型的なストロンボリ式噴火の活火山として知られ,間欠的に噴煙をあげ,その高さはときには1000mをこえる。1813年(文化10)の大噴火で島民は脱出,以後無人島となったが,83年奄美大島から開拓民が入った。…
…列島の北部に位置し,面積は27.5km2で最大。御岳(おんたけ)(979m)を最高点とする火山島で,切り立った海食崖が発達する。西岸の里村に中之島港と村役場支所がある。…
…人口4743(1995)。御(み)岳(479m)を最高峰として標高300m内外の山地が連なり,仁田川,佐護川の二大河川が西流する。海岸線は複雑なリアス式海岸をなし,湾入部の多くは天然の良港となっている。…
…全島にわたって険しい山々が連なるが,山頂部には平たん面がみられ,山地は隆起準平原と考えられる。北部の御岳(みたけ)(479m)や香ノ木(こうのき)山(307m)は準平原上に突出した残丘であり,南部の内山盆地は,貫入した花コウ岩が浸食され盆地が形成されたものである。海岸は浅茅湾に標識的にみられるリアス海岸である。…
※「御岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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