心に乗る(読み)こころにのる

精選版 日本国語大辞典 「心に乗る」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 に 乗(の)

  1. 心に乗り移って離れない。心を占める。心にかかる。
    1. [初出の実例]「白雲の絶えにし妹をあぜせろと許己呂爾能里(ココロニノリ)てここば愛(かな)しけ」(出典万葉集(8C後)一四・三五一七)
    2. 「秋霧の立ち野の駒をひく時は心にのりて君ぞ恋しき〈藤原忠房〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)秋下・三六七)
  2. 気に入る。満足する。心にかなう。
    1. [初出の実例]「晉の阮籍心にのればふっとひとり車にひとりのってづるぞ」(出典:玉塵抄(1563)一六)
    2. 「すいた人も心に乗らぬ人も舟渡しの岸に着迄のこころざしなり」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)五)
  3. 十分に理解する。よく分かる。
    1. [初出の実例]「今日の論説を承り、性善の章が心にのったやうに存ずるなり」(出典:学談雑録(1716頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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