心無・裏無(読み)うらなし

精選版 日本国語大辞典 「心無・裏無」の意味・読み・例文・類語

うら‐な・し【心無・裏無】

〘形ク〙
相手に対して、自分の心の中を包み隠すことがない。また、心の中で相手を警戒したり、疑ったりするような隔て心がない。無心だ。
伊勢物語(10C前)四九「はつ草のなどめづらしき言(こと)の葉ぞうらなく物を思ひけるかな」
② うわべだけでない。いつわりがない。二心がない。
※後拾遺(1086)恋四・八二六「うしとても更に思ひぞかへされぬ恋はうらなき物にぞ有ける〈藤原頼宗〉」
遊里で初めてあげた遊女を二度目によぶことをしない。裏を返さない。
※雑俳・柳多留‐八九(1826)「うらなく思ひさっぱりと寄りつかず」
うらな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報