二心(読み)ジシン

デジタル大辞泉 「二心」の意味・読み・例文・類語

じ‐しん【二心/弐心】

にしん(二心)」に同じ。
「我忠を尽し国に報じ、死して―なきを明にし」〈東海散士佳人之奇遇

に‐しん【二心/弐心】

二つの心をもつ意から》
そむこうとする心。ふたごころ。じしん。「主君に―を抱く」
疑いの心。疑心
[類語]節操忠節

ふた‐ごころ【二心/弐心】

味方や主君にそむく心。裏切りの心。にしん。「―をいだく」
ふたりの人に同時に思いを寄せること。浮気心。
「―おはしますはつらけれど」〈宿木

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「二心」の意味・読み・例文・類語

に‐しん【二心・弐心】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 心を二つ持つこと。相反する心をいだくこと。また、敵対したり、うらぎり、そむこうとする心をもつこと。じしん。
    1. [初出の実例]「方寸半分置、趨朝恐作弐心臣」(出典田氏家集(892頃)下)
    2. [その他の文献]〔書経‐康王之誥〕
  3. うたがい。疑心。
    1. [初出の実例]「君に似しさなりかしこき二心(ニシン)こそ月を生みけめ日をつくりけめ」(出典:舞姫(1906)〈与謝野晶子〉)

ふた‐ごころ【二心・弐心】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 同時に相反する二通りの心を持つこと。あだしごころ。うわきごころ。にしん。
    1. [初出の実例]「其の卓淳は上下携(はな)れ弐(フタココロ)あり。主自ら附(したか)はむと欲す」(出典:日本書紀(720)欽明二年四月(寛文版訓))
  3. 味方や君主にそむく心。裏切ろうとする心。謀反心。逆心。にしん。
    1. [初出の実例]「継ては朕子太子に明に浄く二心(ふたごころ)無して奉侍れ」(出典:続日本紀‐神護景雲三年(769)一〇月一日・宣命)

じ‐しん【二心・弐心】

  1. 〘 名詞 〙 むほんをたくらむ心。不忠な心。ふたごころ。弐志(じし)。にしん。
    1. [初出の実例]「遍仕南無三世聖、恐為北闕弐心臣」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)四・春三首〈藤原忠通〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「二心」の読み・字形・画数・意味

【二心】にしん

二意

字通「二」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android