遊里(読み)ユウリ

デジタル大辞泉 「遊里」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐り〔イウ‐〕【遊里】

一定区画を仕切って遊女屋を集めてある地域遊郭。くるわ。いろざと。

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精選版 日本国語大辞典 「遊里」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐りイウ‥【遊里】

  1. 〘 名詞 〙 一定の区画を仕切って公認の遊女屋を多く集めてある地域。また、私娼を置いた店が集まった、いわゆる岡場所をもいう。いろざと。くるわ。遊郭。
    1. [初出の実例]「次に遊里の沙汰をいはば、原・島・新の三箇の津を大里として宿々に傾里あり」(出典:浮世草子・好色文伝受(1688)一)

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旺文社日本史事典 三訂版 「遊里」の解説

遊里
ゆうり

遊女屋が集団で営業を許された一定区画の地域
遊廓傾城 (けいせい) 町・悪所ともいう。江戸初期に江戸の吉原大坂新町,京都の島原などに,それまで市内に散在していた遊女屋を統合したことに始まる。武士町人社交場ともなり,太夫 (たゆう) のような高級遊女も出現した。江戸文学の舞台や題材になることが多い。明治以降も公認されたが,戦後の1957年売春防止法の施行により消滅した。

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普及版 字通 「遊里」の読み・字形・画数・意味

【遊里】ゆうり

遊廓。

字通「遊」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「遊里」の意味・わかりやすい解説

遊里
ゆうり

遊廓

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世界大百科事典(旧版)内の遊里の言及

【悪所】より

…歩行に困難な険しい道,または盗賊の出る所などをいったが,近世になると《色道大鏡》(1678ころ)や西鶴の《好色一代男》(1682)その他にみられるように遊里をさすようになり,のちには芝居町をもさすようになった。〈あくしょう〉とも読んで〈悪性〉に通じ,また〈悪所場(あくしよば)〉とか〈悪性所(あくしようどころ)〉ともいった。…

【元禄時代】より

…さらに劇場芸能も浄瑠璃本,狂言本,役者評判記,番付などの多様な出版物を随伴し,それらが提供する情報は劇場に客を呼び寄せることになるとともに,劇場そのものが情報源としての機能を果たす結果ともなった。
[芝居と遊里]
 元禄期の文化は,芝居と遊里という都市内部に計画的に設置された施設を拠点として,多くの成果を生み出した。芝居と遊里は近世を通じて絵画や文芸に多くの題材を提供し文化形成の温床となったが,それ自体が独特の文化の表現形態とみなしうるものであった。…

【新地】より

…曾根崎新地は揚屋,遊女屋の営業が中心となり,江戸中期以降大繁盛する。このほか,江戸深川の岡場所であった大(おお)新地,小(こ)新地の繁栄もあったため,新地は公認の遊郭であった江戸の吉原,大坂の新町,京の島原以外の新開地に開かれた遊里(遊郭)の代名詞のように用いられるようにもなった。【玉井 哲雄】。…

【遊郭(遊廓)】より

…遊郭のことを郭(くるわ)(曲輪とも書く)と呼ぶのは,四辺を塀などで囲んでいたことによる。また遊里とも称したが,この方は私娼街を含めて遊興街一般の意味にも用いた。
[沿革と制度]
 厳密な意味における公娼集娼を目的とした遊郭は,豊臣秀吉によって1585年(天正13)に始められ,徳川氏がこの政策を継承して整備していった。…

※「遊里」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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