思思(読み)おもいおもう

精選版 日本国語大辞典 「思思」の意味・読み・例文・類語

おもい‐おも・う おもひおもふ【思思】

〘他ハ四〙
① 深く思いつめる。思いつづける。
落窪(10C後)二「あこぎいかでこの御文奉らんと、握り持ちて思ひありくに、更に部屋の戸あかず、わびしと思ひ思ふ」
② 互いに思いあう。相思相愛である。
※大観本謡曲・橋弁慶(1550頃)「よしやよし親子をも、思ひ思はぬ中ならば」

おもい‐おもい おもひおもひ【思思】

〘名〙 (形動) めいめいが思ったまま。また、めいめいが思ったとおりに行なうさま。心々(こころごころ)。思い思いこころごころ。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「今は限りなめりとて、おもひおもひにわたり給にしなかに」

おもう‐おもう おもふおもふ【思思】

〘副〙 (「思う」を重ねて、反復継続の意を表わしたもの) 思いつつ。思いながら。
蜻蛉(974頃)上「あさましうつべたましとおもふおもふ見れば」

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