精選版 日本国語大辞典 「思過」の意味・読み・例文・類語
おもい‐すご・す おもひ‥【思過】
〘他サ五(四)〙
① (「すごす」は、なくしてしまうの意) 心にとめないで忘れる。冷淡にうち捨てておく。おもいすぐす。
② 過度に愛する。〔日葡辞書(1603‐04)〕
③ 余計なことまで考える。とりこし苦労する。考えすぎる。
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)下「その悲しさはどふあらふ今からおもひすごされて」
おもい‐すぐ・す おもひ‥【思過】
〘他サ四〙
① =おもいすごす(思過)①
※万葉(8C後)一七・四〇〇三「雲ゐなす 心もしのに たつ霧の 於毛比須具佐(オモヒスグサ)ず 行く水の 音もさやけく」
② 思いながら月日を過ごす。悩みつつ暮らす。
※夜の寝覚(1045‐68頃)四「ちぢの憂きふしをあまり思ひすぐしきて」
おもい‐す・ぐ おもひ‥【思過】
〘自ガ上二〙 (「すぐ」は、過ぎ去ってなくなるの意) 恋い慕う気持がなくなる。
※万葉(8C後)一七・四〇〇〇「片貝川の 清き瀬に 朝よひごとに 立つ霧の 於毛比須疑(オモヒスギ)めや」
おもい‐すごし おもひ‥【思過】
〘名〙 考えすぎること。余分のことまで考えてくよくよすること。おもいすぐし。
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