怨ずる(読み)エンズル

デジタル大辞泉 「怨ずる」の意味・読み・例文・類語

えん・ずる〔ヱンずる〕【怨ずる】

[動サ変][文]ゑん・ず[サ変]うらみ言をいう。うらむ。「すげない恋人を―・ずる」

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精選版 日本国語大辞典 「怨ずる」の意味・読み・例文・類語

えん‐・ずるヱン‥【怨】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ゑん・ず 〘 他動詞 サ行変 〙 うらみごとをいう。うらむ。
    1. [初出の実例]「まかでむとものせしを、まかでさせねば、いみじうえんずらんかし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)

怨ずるの語誌

( 1 )平安時代中期・後期の和文中に多用されるが、鎌倉時代以降はほとんど用例が見られなくなる。
( 2 )動作主体は、三人称のみであって、一人称・二人称の例がない点で類義語の「うらむ」とは異なり、また、動作主体と動作対象との間に、親密な人間関係が存在することも特徴である。
( 3 )「うらむ」は、心の動きが意味の中心にあり、「怨ず」は第三者他人に働きかける動作が意味の中心にある。

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