他人(読み)タニン

デジタル大辞泉 「他人」の意味・読み・例文・類語

た‐にん【他人】

自分以外の人。ほかの人。「他人まかせの態度」「他人のことはわからない」
血のつながりのない人。親族でない人。「赤の他人」「遠くの親類より近く他人
その事柄関係のない人。第三者。「内部問題他人を巻き込む」「他人の出る幕ではない」
[類語](1ひと他者余人よじん人様ひとさま/(2)よそ様・よその人/(3第三者局外者

あだ‐びと【他人】

ほかの人。別の人。
「など―の手にやしなわるべき」〈樗牛わが袖の記

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「他人」の意味・読み・例文・類語

た‐にん【他人・佗人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 自分自身以外の人。ほかの人。
    1. [初出の実例]「唯備一菴遊目、誰称他人沽哉」(出典:性霊集‐序(835頃))
    2. 「文集中に他人の詩作入る事知らるるか」(出典:江談抄(1111頃)五)
    3. [その他の文献]〔詩経‐王風・葛藟〕
  3. 血縁のない人。親族でない人。また、身内でない者。
    1. [初出の実例]「土佐守宗実〈略〉左大臣経宗卿の養子にして、異姓他人になり」(出典:平家物語(13C前)一二)
  4. その事柄や、その仲間に関係のない人。何の関係もない人。
    1. [初出の実例]「た人なれば、見もし、ききもせらればこそ。わ殿は箱根に有し時、まひの上手と聞しなり」(出典:曾我物語(南北朝頃)七)
  5. たにんぎょうぎ(他人行儀)
    1. [初出の実例]「月をかさねてのわづらひになれば、いつとなく他人(タニン)のあらはれける」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)四)
  6. 他国の人。外国人。
    1. [初出の実例]「頼光の弓の師匠は他人なり」(出典:雑俳・柳多留‐一五(1780))

あだし‐びと【他人】

  1. 〘 名詞 〙あだびと(他人)
    1. [初出の実例]「是の歌、他人(アタシヒト)に不可聆(なきかせそ)」(出典:日本書紀(720)允恭一一年三月(図書寮本訓))

あだ‐びと【他人】

  1. 〘 名詞 〙 別の人。たにん。ことひと。あだしびと。
    1. [初出の実例]「我さへに恨みやせましあだ人になびきそめぬるもとの契(ちぎり)を」(出典:有明の別(12C後)一)

た‐じん【他人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じん」は「人」の漢音 ) =たにん(他人)〔文明本節用集(室町中)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「他人」の読み・字形・画数・意味

【他人】たにん

他の人。〔詩、小雅巧言〕他人、心り 予(われ)之れを忖度(そんたく)す

字通「他」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android