普及版 字通 「悳」の読み・字形・画数・意味
悳
12画
[字訓] ただしい
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
直+心。〔説文〕十下に「外には人に得、には己に得るなり」という。〔説文〕には別に(徳)の字を録しており、悳はと同字とみてよく、斉器の〔陳侯因敦(ちんこういんしたい)〕に「厥(そ)の悳に合揚(たふやう)(答揚)す」とあり、また〔嗣子壺(ししこ)〕に「屯悳(純徳)を承受す」のように用いる。彳(てき)を加えたものは。直は呪飾を施した目。この呪飾を加えて巡察し、邪(じやとく)を正すことを直といい、その力を悳という。巡察の意を以て彳を加えてとなった。
[訓義]
1. ただしい、ただす。
2. もと徳と同じく用いる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕悳 古のの字なり
[声系]
〔説文〕に悳の省声の字としてを収めている。の初形は心に従わず、また彳(てき)に従う字であった。もとはいくらか語義に異なるところがあったと思われる。
[語系]
悳・tkは同声、直dikも声義が近い。得tkは財貨についていう語であるが、ときに通用することがある。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報