慶応の改革

山川 日本史小辞典 改訂新版 「慶応の改革」の解説

慶応の改革
けいおうのかいかく

幕府が第2次長州戦争の敗北後に試みた制度改革。文久の改革の挫折後,横須賀製鉄所の建設など海軍創設に努力した幕府は,同戦争後,15代将軍徳川慶喜(よしのぶ)の指導のもと陸軍の全面改革に着手。大番ほか従来の番方の軍事組織を解体して洋式銃隊にかえ,大幅な人材抜擢や仏・英による陸・海軍伝習も行った。ついで官僚制の合理化を始め,職制の整備や兵賦の金納化を通じて旗本家禄の削減・吸収も行った。これらには駐日フランス公使ロッシュの意見が参考にされた。孝明天皇死後には,朝廷と幕府を慶喜を軸に一体化し,大名の兵・財権を吸収して集権的体制を樹立することまで構想したが,討幕派による王政復古未完に終わった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む