普及版 字通 「懣」の読み・字形・画数・意味 懣18画 [字音] モン・マン[字訓] もだえる・いきどおる[説文解字] [字形] 形声声符は滿(満)(まん)。〔説文〕十下に「煩はしきなり」とし、「心滿に從ふ」と会意に解する。次条に「は懣(もだ)ゆるなり」と互訓に解し、(ふん)声とする。また次条に「悶は懣ゆるなり」とし、門(もん)声とするが、懣・悶は同声。は内なるものが外にあらわれる意であるが、(憤)を形声とするならば、懣も形声に解すべきであろう。滿は(まん)に従い、は満面(しゆうふつ)の意で、充満の意となる。懣・は形声にして義を兼ねるもの、いわゆる亦声の字である。[訓義]1. もだえる、心にみちる。2. いきどおる、おさめがたい。[古辞書の訓]〔名義抄〕懣 ココロマドフ・ウレフ・イキドホル・ワヅラハシ・イタム・ホン(ツ)ス 〔字鏡集〕懣 ココロマドモ(フ)・ホツス・ウレフ・イカル・ワヅラフ・イキドホル・イタム[語系]懣muanは悶munと声義近く、biun、煩biuan、忿phiunもその系列の語。心に憤怨するところがあって、煩懣の気を生ずる。[熟語]懣怨▶・懣然▶・懣煩▶・懣憤▶・懣悶▶・懣懣▶・懣乱▶[下接語]懐懣・懼懣・傾懣・愁懣・吐懣・憊懣・煩懣・悲懣・忿懣・憤懣・幽懣・憂懣・懣 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報