充満(読み)ジュウマン

デジタル大辞泉 「充満」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐まん【充満】

[名](スル)
一定空間などに、あるものがいっぱいにみちること。「煙が室内充満する」「民衆の間に不平充満する」
満ち足りること。満足
子息昇進天下執権、この―のありさまに」〈愚管抄・五〉
腹いっぱいになること。満腹
其方へ参り、ときをもたべ、―致いてはござれども」〈虎寛狂・布施無経
[類語]満杯充溢充実満員一杯充足満席満車満室満タン飽和

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精選版 日本国語大辞典 「充満」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐まん【充満】

〘名〙
① いっぱいになること。すきまなくみちること。
田氏家集(892頃)下・題竹林七賢図「若遇賢明聖日、廟堂充満竹林空」
日葡辞書(1603‐04)「ヨロコビ Iǔman(ジュウマン)
② 満足すること。満ち足りて不平のないこと。
※愚管抄(1220)五「信西がふるまひ、子息の昇進、天下の執権、この充満のありさまに、義朝と云程の武士に此意趣むすぶべしやは」
③ 腹いっぱいになること。満腹。
※虎寛本狂言・布施無経(室町末‐近世初)「再三御使で御座ったに依て、其方へ参り、斎をもたべ、充満致いては御座れども」

みち‐み・ちる【充満】

〘自タ上一〙 みちみ・つ 〘自タ上二〙 =みちみつ(充満)(一)
平家(13C前)八「京中には源氏の勢みちみちたり」
[補注]四段活用満つ」は中世以降上二段化したと考えられるので、それに該当する例はこの項におさめた。

みち‐み・つ【充満】

[1] 〘自タ四〙 十分に満ちる。いっぱいになる。みちみちる。
※百座法談(1110)閏七月八日「諸ろの鬼魅魍両みちみてらむ
[2] 〘自タ上二〙 ⇒みちみちる(充満)

みち‐みち【充満】

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) 十分に満ちているさま、みちみちているさまを表わす語。
※俳諧・小柑子(1703)下「みちみちと置はきえたり鮎の塩〈雪芝〉」

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普及版 字通 「充満」の読み・字形・画数・意味

【充満】じゆうまん

みちみちる。〔列女伝、賢明、斉の桓衛姫伝〕妾之れを聞く。人君に三色り。~忿然として充滿、手足矜動するは、攻伐の色なりと。

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