精選版 日本国語大辞典 「手纏き」の意味・読み・例文・類語
た‐まき【手纏・環・鐶】
- 〘 名詞 〙 ( 手に巻くものの意 )
- ① 上代の装身具。玉・貝・鈴などを紐(ひも)で貫き、臂(ひじ)のあたりに巻いて装飾としたもの。釧(くしろ)。
- [初出の実例]「海神(わたつみ)の 多麻伎(タマキ)の玉を 家裹(づと)に 妹にやらむと 拾(ひり)ひ取り 袖には入れて」(出典:万葉集(8C後)一五・三六二七)
- ② 弓を射る便宜から手をおおう筒形の籠手(こて)の袋。手覆(たおおい)。
- [初出の実例]「充二壱岐嶋冑并手纏各二百具一」(出典:日本三代実録‐貞観一二年(870)正月一三日)
- ③ ( 環・鐶 ) 輪の形をして中に丸い穴のある玉。指などにつけて飾りとしたもの。指輪。ゆびまき。〔観智院本名義抄(1241)〕