手製爆弾(読み)てせいばくだん(英語表記)Improvised Explosive Device

知恵蔵 「手製爆弾」の解説

手製爆弾

手製爆発装置の総称ゲリラ部隊、武装勢力テロリストが使用する場合が多く、古くからあるが、フセイン政権後のイラク復興段階において武装勢力やテロリストに多用され、治安維持・安定化の大きな障害となり、対策が急務とされている。構造、使用材料は多種多様で、爆薬には黒色火薬、工事用ダイナマイト、TNT、軍用C4などの他に、地雷、野砲弾、迫撃砲弾などを使用する方式もある。砲弾は本来の信管を付けず、内部の爆薬(炸薬)に起爆信管を挿入、数発の弾をまとめて爆発させると非常に大きな破壊力となる。起爆装置には圧力スイッチ、時計などに加えて、ラジコン、ガレージ扉の開閉装置、車のセキュリティー装置、ドアのベル、ポケベルや携帯電話を使った遠隔操作型も多い。これは爆弾を仕掛けた人間が現場で起爆させる必要がなく、時間を置いて爆発させられるので、ゲリラ、テロ攻撃に適している。IEDは道路脇の茂みやゴミの中に隠したり(路側爆弾)、車に積載したりされるが、体につけて自爆攻撃用にも使われる。

(江畑謙介 拓殖大学海外事情研究所客員教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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