打零(読み)うちこぼす

精選版 日本国語大辞典 「打零」の意味・読み・例文・類語

うち‐こぼ・す【打零】

〘他サ四〙 (「うち」は接頭語)
① 物を漏らし落とす。また、水などの液体を落とし流す。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「のむまねにてうちこぼしつれど」
② 涙をほろりと流す。
紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一〇月一六日「あはれいかなりけんなどだにいふ人あらば、うちこぼしつべかめり」
③ 思わずことばを漏らす。
有明の別(12C後)一「ゆめがたりもつつましからずうちこぼしつべく」
④ だめにする。無くす。
※中華若木詩抄(1520頃)中「十分なれば打こぼす道理ぞ」

うち‐こぼ・る【打零】

〘自ラ下二〙 (「うち」は接頭語) ぽろぽろと流れ落ちる。散り落ちる。
蜻蛉(974頃)中「うちこぼるる涙の、あつくてかかるに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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