ゆめ

精選版 日本国語大辞典の解説

〘副〙 (「努」「努力」「勤」「慎」「」などと当てる)
[一] (強く注をうながす意からという)
(い)みつつしんで。気をつけて。つとめて。
※古事記(712)下・歌謡「王(おほきみ)を 島に放(はぶ)らば 船余り い帰へり来むぞ 我が畳由米(ユメ) 言をこそ 畳と言はめ 我が妻は由米(ユメ)
※万葉(8C後)一九・四一七九「ほととぎす夜鳴きをしつつわが背子を安眠(やすい)な寝しめ由米(ユメ)心あれ」
② 禁止の語句と共に用いる。決して(…するな)。必ず(…するな)。
※万葉(8C後)二〇・四四四六「わが宿に咲けるなでしこ幣(まひ)はせむ由米(ユメ)花散るないやをちに咲け」
※大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)一〇「努力(ユメ)、人びと、懃懇を加へて労苦を辞すること勿れ」
[二] ((一)の「ゆめ」を「夢」と混同しての用法か) 打消の語を伴って用いる。夢にも(…しない)。すこしも(…しない)。
※落窪(10C後)三「落窪の君と夢知らず、また一所に参りつどはん事ともゆめ知らで」
※読本・雨月物語(1776)白峯「勤(ユメ)色にも出さざりしを」
[語誌]古く、潔斎する意の動詞「斎(ゆ)む」の命令形とされてきたが、疑問が残る。また、「ゆゆし」などの「ゆ」と、「め(目)」とから成るもので、物事を忌み謹んだ目をもって注視せよという、いわば誓詞、忠告の働きから出たものとする説もある。平安時代以降は「夢」と混同されたとみられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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