投票のパラドックス(読み)とうひょうのパラドックス(英語表記)paradox of voting

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「投票のパラドックス」の意味・わかりやすい解説

投票のパラドックス
とうひょうのパラドックス
paradox of voting

投票において順位づけが決まらず,循環してしまうことを指す。3人から成る社会を考えたときに,この3人が3つの選択肢を順位づけて選んだとする (a>b>c,b>c>a,c>a>b) 。そして,この集団全体でどれが望ましいかを多数決で決める。そうしたときに,選択肢a, bで比べると3人のうち (1) ,(3) がa>bとし,b, cについては (1) ,(2) がb>cとする。推移律を使えば,a>cとなるはずが,実際には (2) ,(3) がc>aであり,a>b>c>a…という循環が起こってしまう。このパラドックスは,コンドルセや J.C.ボルダが発見したため,コンドルセ効果とも呼ばれる。

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