抜抜(読み)ぬけぬけ

精選版 日本国語大辞典 「抜抜」の意味・読み・例文・類語

ぬけ‐ぬけ【抜抜】

[1] 〘形動〙 次第に列を離れて行くさま。まとまってではなく、一人また一人とひそかに抜け出すさま。
太平記(14C後)六「既に先懸の兵共、ぬけぬけに赤坂の城へ向へ」
[2] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 頭の働きが鈍く、他にだまされるさまを表わす語。
※米沢本沙石集(1283)五本「虬ぬけぬけとそ帰へりぬ。此は獣までも誑心のある事を経にいだせり」
② あつかましいさま、知っていても知らないふりをするさま、ぬらくらと言い抜けてしらじらしいさまなどを表わす語。
咄本狂歌咄(1672)五「痛む所あれどもさらぬ躰にて、又馬にかきのせられ、ぬけぬけとして引返すもあり」

ぬき‐ぬき【抜抜】

〘副〙 (「に」を伴うこともある) 多くの中から間を抜いて選び出すさま、とびとびであるさまを表わす語。
太閤記(1625)六「何も鑓を以たたきあひけるに、青木計ぬきぬき突しかば、敵思ふ程には付ざりけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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