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太閤記 たいこうき

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

太閤記
たいこうき

江戸時代前期の準軍記物語。英雄伝記物語。小瀬 (おぜ) 甫庵作。 22巻。寛永2 (1625) 年成立。太田牛一の『大かうさまくんきのうち』を基に,大村由己の『天正記』などの文献を参考にして,太閤豊臣秀吉の生涯を叙述したもの。

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デジタル大辞泉の解説

たいこう‐き〔タイカフ‐〕【太×閤記】

豊臣秀吉一代記の総称。寛永3年(1626)ごろ成立の小瀬甫庵(おぜほあん)著「甫庵太閤記」22巻がその代表的なもの。史料的価値の高い川角(かわすみ)三郎右衛門著「川角太閤記」5巻のほかに、「絵本太閤記」「真書太閤記」が流布。浄瑠璃には近松門左衛門の「本朝三国志」や近松柳らの「絵本太功記」、歌舞伎には4世鶴屋南北の「時桔梗出世請状(ときもききょうしゅっせのうけじょう)」などがある。

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百科事典マイペディアの解説

太閤記【たいこうき】

豊臣秀吉の一代記。小瀬甫庵の作。1625年自序。大村由己《天正記》太田牛一の諸記録,古老の談話を素材にしているが,事実の記述よりも甫庵の歴史観・政治観による解釈・批判に重点があり,引用史料の改変もなされている。
→関連項目軍記

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デジタル大辞泉プラスの解説

太閤記

1965年放映のNHK大河ドラマ。原作は、吉川英治の小説『新書太閤記』。豊臣秀吉の一生を描く。当時無名の若手俳優だった緒形拳や高橋幸治が抜擢され、一躍人気を得た。脚本:茂木草介。音楽:入野義朗

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世界大百科事典 第2版の解説

たいこうき【太閤記】

豊臣秀吉の伝記物語。小瀬甫庵(おせほあん)作。22巻。1625年(寛永2)の自序があるが,執筆は元和年間(1615‐24)にさかのぼるといわれる。構成は2部から成る。すなわち巻一~三に秀吉の素生と織田部将時代の事跡,巻四~九は小牧・長久手の戦に至る政権掌握の過程,巻十,十二に九州の役と小田原の役,巻十一に聚楽第行幸,巻十三~十五に文禄の役,巻十六に晩年の事跡を収め,この巻まではほぼ編年体的構成をとっている。

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大辞林 第三版の解説

たいこうき【太閤記】

豊臣秀吉の一代を扱った伝記の総称。数種あるが、史料的価値が比較的高いのに小瀬甫庵おぜほあん著「甫庵太閤記」二二巻、川角かわずみ三郎右衛門著「川角太閤記」五巻がある。通俗的に太閤記を集大成して最も流布し影響の大きかったものに「真書太閤記」「絵本太閤記」があり、これらに取材した浄瑠璃に、近松門左衛門作の「本朝三国志」、近松柳ら作の「絵本太功記」、歌舞伎に四世鶴屋南北作の「時桔梗出世請状ときもききようしゆつせのうけじよう」などがある。豊臣記。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

太閤記
たいこうき

太閤豊臣(とよとみ)秀吉の伝記。早くお伽衆(とぎしゅう)大村由己(ゆうこ)が、秀吉の命令により、その天下統一を賛美して天正(てんしょう)年間(1573~92)の事績を記録した『天正(てんしょう)記』(うち九巻が現存)、織田信長、秀吉に仕え『信長(しんちょう)記』の著もある太田牛一(おおたぎゅういち)が、秀吉の功業を覚え書き風に記録した『太閤軍記』(その一部が『太閤さま軍記のうち』として伝わる)、秀吉に仕えた田中吉政の家臣川角(かわすみ)三郎左衛門の著かともいわれる、秀吉の天下統一を覚え書きと聞き書きをもって記した『川角太閤記』五巻があるが、これら先行の「太閤記」を集成したのが小瀬甫庵(おぜほあん)の『太閤記』22巻である。
 先行の「太閤記」のほか『幽斎道之記(ゆうさいみちのき)』などの記録、書翰(しょかん)、巷説(こうせつ)をも取り入れて構成、1625年(寛永2)に擱筆(かくひつ)。年月順に記しながら、回想、後日談などを挿入、秀吉の治政を賛美し、秀吉の側からみた治乱の記、栄華の物語をなすが、相手側の柴田(しばた)勝家、北条氏政(ほうじょううじまさ)、豊臣秀次(ひでつぐ)らの悲劇をも哀感をもって描く。高麗(こうらい)、唐土の外征などに関して、儒教思想をもって、秀吉の善は善としながら悪は悪として批判も行う。巻一から巻16まではその太閤の正伝、巻17は関白秀次の事件、巻18、19は山中鹿之助(しかのすけ)など戦国武将の列伝、巻20、21は、1616年(元和2)の執筆になる、治世のための八つの道を説く八物語であり、巻22は雑録である。
 文体は、記録体というよりは、作者自身の感情を交え、京都の人々の声、太閤伝説、異論・評をも借りて、成功者秀吉を語る物語の文体をなす。そのため朗読、講釈の語り物としても行われた。その意味で物語化した「太閤記」の源をなすもので、本書が絵入り、抜粋としても版を重ねるとともに、民話の手法をも用いて秀吉像が伝説的に巨大化していった。そのなかで作者未詳の『元禄(げんろく)太閤記』七巻、竹内確斎(岡田玉山画)の『絵本太閤記』七編84冊、さらに諸種太閤伝に注記・考証を施し古典をも借用して脚色を施した栗原柳庵(くりはらりゅうあん)の『真書(しんしょ)太閤記』360巻などがつくられた。これらは明治以後まで、史書、記録、草紙、歴史小説などに影響を与え続けた。[山下宏明]
『桑田忠親著『太閤記の研究』(1965・徳間書店) ▽同校訂『太閤記』(1971・新人物往来社) ▽荒木良雄著『安土桃山時代文学史』(1969・角川書店)』

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