普及版 字通 「拊」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音]
[字訓] なでる・うつ・たたく・にぎる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は付(ふ)。〔説文〕十二上に「(な)づるなり」と訓する。〔詩、小雅、(りくが)〕「我を拊(な)で我を畜(やしな)ふ」は撫育する意。〔書、舜典〕に「石をち石を拊(う)てば、百獸ふ」は鼓楽する意。また「掌を拊つ」「心(むね)を拊つ」「髀(ひ)を拊つ」は、激しく手で打つ意である。

[訓義]
1. なでる、さする。
2. うつ、たたく、はやくうつ、かるくうつ。
3. にぎる、もつ、つか、にぎり。

[古辞書の訓]
名義抄〕拊 ウツ・ナヅ 〔立〕拊 タツ・ヒク・ナヅ・ウツ・タダス・ツク・タタク・ハク・イタム

[語系]
拊phio、撫phiuaは声近く、手でなで、かるくうつ動作をいう。人を弔うとき、〔国語、晋語八〕「撫して之れに泣く」のように、強く感情をあらわすときの動作である。

[熟語]
拊愛・拊育・拊楽・拊胸拊琴・拊剣・拊・拊鍵拊絃拊鼓拊嗟・拊拊循拊巡拊掌・拊心・拊石拊譟・拊背拊搏拊髀拊缶拊払拊勉拊膺拊養拊翼
[下接語]
慰拊・撃拊・執拊・搏拊・摩拊

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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