掛け売買(読み)かけばいばい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「掛け売買」の意味・わかりやすい解説

掛け売買
かけばいばい

商品販売の一方法。商品受渡しの一定期間後、月末または翌月特定日など後日に代金受渡しをする約束で行われる売買のうち、約束手形払いや割賦払い(分割払い)を除いたものをいう。主として小売商が消費者に対して用いる販売方法であり、わが国では古くから「盆暮れ払い」「みそか払い」とよばれて行われてきた。

 掛け売買では、取引ごとに特別の契約文書を用いず、その信用は単に記帳にとどめておく帳簿信用である。俸給生活者のような買い手にとっては便利な方法である。売り手にとっては、資金が固定し、入金の遅延貸倒れの危険も少なくない。そのため、金利などを上乗せした掛け売り値段を設けることもあるが、多くは信用十分な常連顧客について掛け売買を行うため、現金売りと差をつけない。理論上は、現金販売に対する信用販売の一種であり、信用サービスの供与とみなされる。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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