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信用 シンヨウ

デジタル大辞泉の解説

しん‐よう【信用】

[名](スル)
確かなものと信じて受け入れること。「相手の言葉を信用する」
それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。また、世間が与える、そのような評価。「信用を得る」「信用を失う」「信用の置けない人物」「店の信用に傷がつく」
現在の給付に対して、後日にその反対給付を行うことを認めること。当事者間に設定される債権債務の関係。「信用貸付」

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世界大百科事典 第2版の解説

しんよう【信用 credit】

ここにいう信用とは倫理的徳目のことではなく,経済学の対象としての社会的関係であり,契約・取引と決済との時間的乖離(かいり)にもとづく債権債務関係を基盤に発生するもので,当事者の信頼を前提にするためこれを信用という。信用は実物信用貨幣信用に大別される。奈良時代出挙(すいこ)のような米穀等を内容とするものを実物信用というが,現在ではこれは例外的で,圧倒的大部分は貨幣ないし貨幣類似の購買力をもつものの貸借を内容とする貨幣信用である。

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大辞林 第三版の解説

しんよう【信用】

( 名 ) スル
人の言動や物事を間違いないとして、受け入れること。 「彼の言葉を-する」
間違いないとして受け入れられる、人や物事のもつ価値や評判。 「 -がある」 「 -を落とす」 「商売は-が第一だ」
〔credit〕 給付と反対給付との間に時間的なずれのある取引を成立させる信頼。 → クレジット信頼(補説欄)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

信用
しんよう
credit英語
crditフランス語
Kreditドイツ語

一般的には信頼または信任を意味するが、経済上、信用を与える(与信、授信)とか信用を受ける(受信)、また信用を貸し付けるとか信用を創造するとかいわれる場合の信用とは、債権・債務関係のことを意味している。[鈴木芳徳]

貸借的信用と貨幣的信用

信用には二つの側面がある。第一は、取引としての信用であって、たとえば甲が乙に貸し付けるというような取引関係そのものの意味、すなわち貸借的信用である。第二に、そういう取引行為の結果生じる客観的実在としての債権・債務関係が、取引にとっての手段ないし対象とされることがある。これが貨幣的信用である。
 近代的な信用制度と信用通貨体制とは、信用のこうした2側面が社会化され、体系化されたものにほかならない。中央発券銀行を頂点とし、それを取り巻く預金銀行の制度体系は貸借的信用の社会的体系である。そしてその内部に、銀行券、預金通貨といった信用貨幣の体系が組み込まれているのであるから、それはまた信用通貨の社会的体系にほかならない。[鈴木芳徳]

商業信用と銀行信用

貸借的信用のおもなものは商業信用と銀行信用である。商業信用とは、生産者や商人が商品でもって相互に与え合う掛売り・掛買いから生まれる信用関係である。したがって売り手は債権を、買い手は債務を負う。このことにより、流通期間中の購買・支払準備金が節約され、流通期間が短縮されて連続的な生産が可能となる。つまり再生産過程の拡大が可能となる。
 銀行信用とは、銀行などの金融機関が行う貸付取引のことである。商業信用には固有の個別資本的制約があり、それを克服するためのものとして、より社会的な信用である銀行信用が導入される。すなわち、銀行信用とは、再生産過程の外部に自立化した銀行によって与えられる信用にほかならない。
 銀行信用による商業信用の代位形態のうち、代表的なものが手形割引である。手形割引とは、割引依頼人のもつ商業手形を銀行が肩代り入手し、銀行の自己宛(あて)債務を表示する銀行券を貸し付けて、これを代位流通させることである。これにより割引依頼人は予備資本の負担から解放され、資本の現実的還流に拘束されることなく再生産を続行することができる。[鈴木芳徳]

商業貨幣と銀行貨幣

貨幣的信用は信用貨幣の形態をとる。信用貨幣には商業貨幣と銀行貨幣がある。商業貨幣とは、商業信用関係から生じる証書である手形が流通手段として用いられるものをいう。すなわち、商業信用の連鎖にのって、商業手形は裏書譲渡されて転々流通する。最終支払人が支払期日に支払うのみで、中間当事者にあってはまったく現金の授受は生じない。手形が流通しえた理由は、信用の連鎖において各人がもつ債権・債務が相殺されるからであって、手形は債権・債務の相殺により絶対的に貨幣として機能するのである。このことにより、一方では流通資本(購買・支払準備金)が節約され、他方では本来の貨幣(金)が節約される。
 銀行貨幣には銀行券と預金貨幣がある。銀行券は元来、兌換(だかん)銀行券であり、それは発券銀行の金支払債務の貨幣化したものである。銀行券はその初期においては利子付きで大額であり、金額にも端数があったが、しだいに一覧払いで小額のものになることで現金化した。その本質が銀行の自己宛約束証書であり、これによる売買が銀行を当事者とする債権・債務関係の連鎖形成であるに違いないとはいえ、銀行券は現金としての扱いを受け、商業流通を出て一般的流通に入るのである。
 預金貨幣は、預金支払債務(逆にみると払戻請求権)の貨幣化したものである。預金という寄託取引のうえに生じた支払債務が顧客の間で移転される。銀行の自己宛債務の流通移転という意味では、銀行券と預金貨幣とはなんら異なるところはない。ただ、銀行券の場合には発券銀行の支払能力によって支えられているのに対し、預金貨幣は顧客たる個別資本家の支払能力によって限界づけられている。[鈴木芳徳]
『高木暢哉・竹村脩一著『貨幣・金融の基礎理論』(1968・ミネルヴァ書房) ▽竹村脩一・玉野井昌夫編『金融経済論』(1978・有斐閣) ▽下平尾勲著『信用制度の経済学』(1999・新評論) ▽竹田茂夫著『信用と信頼の経済学――金融システムをどう変えるか』(2001・NHKブックス) ▽ジョゼフ・E・スティグリッツ、ブルース・グリーンワルド著、内藤純一・家森信善訳『新しい金融論――信用と情報の経済学』(2003・東京大学出版会)』

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