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売買 ばいばい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

売買
ばいばい

当事者の一方 (売主) が相手方 (買主) に対して財産権 (物権,債権,無体財産権など) を移転することを約束し,相手方がこれに対して代金を支払うことを約束する契約 (民法 555) 。諾成契約であり,有償双務契約の典型。民法はこれについて詳しい規定を設けつつ,それを有償契約一般に準用している (559条) 。当事者が契約締結と同時に財産権の移転および代金の支払いを完了するいわゆる現実売買のほか,また代金の定め方によって自由売買,せり,入札など競争売買,特殊なものとしては割賦売買,継続的供給契約 (電気,ガス,新聞等) などがある。売買は所有権制度とともに資本主義社会にあって最も重要な機能を果す制度であり,私的自治ないし契約自由の原則は売買において典型的に現れてくる。しかし現代では,私的独占の禁止や公的な統制によって,その自由はいろいろ制限を受けている。なお製作物供給契約などについては,請負との区別が問題となっている。

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デジタル大辞泉の解説

ばい‐かい〔‐かひ〕【売買】

証券取引所金融商品取引所)の会員が、銘柄・株数・値段・受渡期間の同じ売り注文と買い注文とを組み合わせ、売買が成立したものとして取引所に届け出ること。昭和42年(1967)以降禁止されている。
[補説]普通「バイカイ」と書く。

ばい‐ばい【売買】

[名](スル)
売ることと、買うこと。売ったり買ったりすること。うりかい。「株を売買する」
民法で、当事者の一方が財産権を相手方に移転することを約束し、相手方がこれに対して代金を支払うことを約束する契約。売買契約

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百科事典マイペディアの解説

売買【ばいばい】

当事者の一方がある財産権を相手方に移転し,相手方がこれに対し代金を支払う契約(民法555条以下)。売買によって売主は目的の財産権を買主に帰属させ,その財産権が占有を伴うものであればその占有を移転し,財産権の移転につき登記等の対抗要件が必要であればこれを履行し,権利の存在に関する証書も買主に交付する必要がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ばいばい【売買】


[意義,性質]
 民法の規定する契約類型(典型契約)の一つであって,当事者の一方(売主)が,相手方(買主)に対し財産権を移転し,買主がその対価として金銭(代金)を支払うことを内容とする契約をいう(民法555条)。財貨を入手するには,売買契約という法律的形式をとることが多く,社会的にも重要な契約である。売買の目的物は,財産権であれば足りるから,不動産・動産のような有体物はもとより,債権,無体財産権,株式,のれん,企業等であっても,財産的価値があるかぎり,すべて売買の対象となる。

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大辞林 第三版の解説

ばいかい【売買】

取引所の同一会員が、銘柄・値段・数量・受け渡し期間の同じ売りと買いを組み合わせ、取引所で売買ばいばいしたという形式をとること。

ばいばい【売買】

( 名 ) スル
売ることと買うこと。うりかい。あきない。 「品物を-する」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

売買
ばいばい

当事者の一方(売り主)が財産権を相手方(買い主)に移転することを約し、相手方がこれに代金を支払うことを約することによって成立する契約(民法555条以下)。有償・双務・諾成・不要式の契約である。[淡路剛久]

成立

売買は諾成契約であるから、合意があれば成立する。契約に要する費用(たとえば、印紙代や公正証書作成の手数料)は、特約がなければ、売り主と買い主とが平分して負担する(民法558条)。なお、契約に際して、いきなり本契約を結ばずに、売買の予約をすることがある。この場合、それが売買の一方の予約(予約を本契約にする権利を一方だけがもっている場合)であれば、予約権利者が予約を完結する意思を表示したときから売買の効力が生じる(同法556条)。また、契約に際して手付が授受されることがあるが、これは別段の合意がなければ、解約手付(当事者の一方が履行に着手するまでは、買い主は手付金を放棄して、売り主は手付金の倍額を償還して、契約を解除できる)と推定される(同法557条)。[淡路剛久]

効力

売買が成立すると、売り主は売買の目的物である財産権を移転する義務を負い、買い主は代金を支払う義務を負う。売り主が買い主にいまだ目的物を引き渡さないうちに果実を生じたときには、その果実は売り主に属する(民法575条1項)。そのかわりに、買い主は引渡しを受けないうちは代金の利息を支払う必要がなく、引渡しの日より利息を支払う義務を負う(同条2項)。
 このほか、売り主が担保責任を負うことが重要である。売り主の担保責任には二つあり、一つは、売買の目的たる権利に瑕疵(かし)があることによる責任であり(追奪担保責任)、(1)他人の権利の売買の場合 売り主が他人の権利を売買の目的としたが、それを取得できなかった場合、買い主は契約を解除でき、また損害賠償をとれる(同法561条・562条)、(2)数量不足および一部滅失の場合 数量を指示して売買した物が不足な場合、および物の一部が契約の当時すでに滅失していた場合、買い主は代金の減額、契約の解除、損害賠償を請求できる(同法565条)、(3)売買の目的物に占有を内容とする他人の権利(地上権、永小作権など)がついている場合 買い主は契約を解除でき、また損害賠償をとれる(同法566条)、(4)売買の目的たる不動産に抵当権などがついていて、そのため買い主が所有権を失った場合 買い主は、契約の解除、出捐(しゅつえん)の償還、損害賠償の請求ができる(同法567条)、などである。売り主の担保責任のもう一つは、売買の目的たる物に隠れた瑕疵があった場合の責任であり(瑕疵担保責任)、買い主は契約を解除でき、また損害賠償をとれる(同法570条・566条)。なお、これらの責任の多くは1年の除斥(じょせき)期間にかかる。[淡路剛久]

特殊の売買

売買には、現実売買(目的物と代金とが即時に交換されるもの)、試験売買(買い主が目的物を試験してみて、買うかどうかを決めるもの)、見本売買(見本によって売買契約を結ぶもの)、掛売り売買(代金の支払いを一定時期〈たとえば月末〉まで延ばすもの)、割賦売買(代金の支払いを何回かに分割して行うもの)などがある。[淡路剛久]

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世界大百科事典内の売買の言及

【質】より

…質取主は質物を保全する義務を負い,債務不履行の場合には一定の条件のもとに売却し,その代価をもって債務の弁済に充てる売却質を原則としたが,債権者に帰属する流質の慣行もあった。
[中世]
 売買・貸借などの取引における担保・抵当を質といった。貸借において担保を必要としたことはいうまでもないが,中世には売買にも担保を必要とした。…

【賃租】より

…平安期にみえてくる請作(うけさく)や後世の小作と比較的類似している。日本古代では,今日と違って売買と観念される行為には2種類あり,1年を限る売買と長期間にわたる永年を限る売買があった。田地・園地などの不動産では,前者を律令用語で賃租といい,賃租と対比される後者をふつう永売と呼んだ。…

【売券】より

…中世では沽券(こけん),沽却状(こきやくじよう),近世では売渡状(うりわたしじよう),売渡証文などと称する。 奈良時代には,公田の売買は禁止され,墾田・園地・宅地の売買は許された。その手続は,まず売主・買主間の売買合意書(辞状,解状(げじよう)などという)が土地所在地の郷長(ごうちよう)に提出され,郷長は審査のうえ,解状の形式でこれを郡へ,郡はこれを国へと上申する。…

※「売買」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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