普及版 字通 「揄」の読み・字形・画数・意味
揄
12画
[字訓] ひく・うごかす・ぬぐ・なげる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は兪(ゆ)。兪は、把手(とつて)のある手術刀(余)で膿漿(のうしよう)を盤(舟)に移す形。・(癒)の初文で、ものを他に移す意がある。〔説文〕十二上に「引くなり」とあり、〔淮南子、主術訓〕「策(つゑ)を堂の上に揄(ひ)く」、〔荘子、漁父〕「髮を被り、袂を揄く」のように用いる。王后の服を「揄狄(えうてき)」といい、雉(きじ)の模様をつけた礼服をいう。声義ともに異なる用法である。
[訓義]
1. ひく、長いものをひく、ひき動かす、ひき出す、ひきずる。
2. うごかす、なぶる、からかう。
3. ぬぐ、すてる、とる。
4. なげる、くだく。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕揄 ヒク・ヌク・トル・ナグ・カキクダク
[語系]
揄・兪・踰jioは同声。兪には此れより彼に移し動かす意があり、ものを延(ひ)き動かすことを揄といい、さらに移ることを踰という。
[熟語]
揄棄▶・揄袂▶・揄舗▶・揄揶▶・揄揚▶・揄▶
[下接語]
選揄・邪揄・椰揄
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報