撮む(読み)つまむ

精選版 日本国語大辞典 「撮む」の意味・読み・例文・類語

つま・む【撮・摘・抓】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
  2. 小さい物などを指先などではさみ取る。指先などではさみ持つ。〔法華経音訓(1386)〕
    1. [初出の実例]「ちょっぴり生姜といきやせうかねと生姜をつまんで出す」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初)
  3. 取って食べる。
    1. [初出の実例]「幕の内を摘まむあひだも気が気でなかった」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉三)
  4. 要点を取り出す。要旨をまとめる。また、簡潔にする。簡単にする。つづめとる。摘要する。かいつまむ。
    1. [初出の実例]「此詩代宗時作而粛宗の事をちっちとつまうて申た」(出典:杜詩続翠抄(1439頃)一〇)
  5. 一時の慰みに女に手をつける。また、男女が他人にかくれて情交する。
    1. [初出の実例]「つまみけり・給銀の外出す旦那」(出典:雑俳・青木賊(1784))
  6. すきなように人をなぶる。愚弄する。また、人をあざける。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  7. ( 多く「つままれる」と受身の形で用いて ) きつねやたぬきなどにばかされる。また、人にだまされる。
    1. [初出の実例]「此つまみ菜につままれた、揃へる程屑ばかり」(出典:浄瑠璃・仏御前扇車(1722)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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