芝居で幕の内側のこと、また幕の閉まっている間(幕間(まくあい))のことをいう。さらに幕間に食べる弁当のことを幕の内弁当、略して幕の内ともいう。俵形の握り飯とおかずを重箱(じゅうばこ)、折り箱などに詰め合わせたもので、近年は劇場のほか駅や列車内などでも売っている。江戸末期の風俗志『守貞漫稿(もりさだまんこう)』の「雑劇」芝居茶屋の項に、「中飯(ちゅうはん)(昼食) 江戸は幕の内と号(なづけ)て円扁平(へんぺい)の握り飯十顆(か)を僅(わずか)に焼之也。添之に焼鶏卵蒲鉾(かまぼこ)こんにやく焼豆腐干瓢(かんぴょう)以上是(これ)を六寸重箱に納(い)れ人数に応じ観席に持運ぶ……」とある。当時、日本橋には芝居用幕の内弁当の専門店として有名な萬久という店があり、『江戸名物狂詩撰(えどめいぶつきょうしせん)』にも「萬久の煮しめ」と題する詩が載っている。
[多田鉄之助]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新