日本大百科全書(ニッポニカ) 「放射線遮蔽ガラス」の意味・わかりやすい解説 放射線遮蔽ガラスほうしゃせんしゃへいがらすradiation shield glass γ(ガンマ)線、X線など人体に有害な放射線を防ぎ、しかも内部が観察できるように、放射線による着色を防止した鉛ガラスの一種。一般に強い放射線照射によってガラスは着色し、厚いガラスの場合にはそのためにまったく透視できなくなる。ガラス中に少量(たとえば0.3%)の酸化セリウムを加えたものは、この着色を防ぐことができ、着色しないことからノンブラウニング・ガラスとよばれている。この種のガラスは1個がそれぞれ数十センチメートルの厚さのものもあり、放射線の強さによって数枚を重ねて使うこともある。[境野照雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例