救急医療情報システム(読み)きゅうきゅういりょうじょうほうしすてむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「救急医療情報システム」の意味・わかりやすい解説

救急医療情報システム
きゅうきゅういりょうじょうほうしすてむ

各都道府県ごとに設置された、救急医療に関する情報集約システムの一つ。コンピュータセンターと救急医療情報センター、医療機関、消防本部との間を通信回線で結んであり、消防本部による、救急隊の活動に対する側面支援として、救急患者を最適な医療機関へ収容するために必要な医療機関応需情報(診療科目診療手術可否、男女別空きベッドの有無)を収集する。医療機関に設置してある端末装置から、リアルタイムで最新の情報を入力、蓄積する。これにより救急現場に出場中の救急隊から、収容予定の医療機関について応需状況の問合わせがあった場合、迅速かつ適正に応答できる。また、一般市民、医療機関等からの問合わせに対しても案内を行う。また大規模な地震発生時には端末装置が災害運用に切りかわり、被災地内の各医療機関からは稼働状況、傷病者数、医師・看護師要員の状況等の情報が、また被災地以外の医療機関からは受け入れ可能な病床数、医師・看護師の派遣などの情報が入力され、都道府県や消防機関等へ提供される。

[窪田和弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の救急医療情報システムの言及

【救急医療】より

…その後,脳外傷等の重症患者を治療することができる高度の診療機能をもつ救急医療センターが,交通事故多発地域および人口100万に1ヵ所程度の割合で各地に整備された。さらに,内科・小児科系患者の比率が増し,76年から厚生省は,救急医療体系および救急医療情報システムの整備を図っている。 この救急医療体系とは3次からなり,軽症者のための救急医療を担当する第1次救急医療施設として,原則人口5万以上の市に,休日・夜間急患センターを整備し,また,郡市医師会単位で在宅当番医制を設けている。…

※「救急医療情報システム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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