教坊記(読み)きょうぼうき(その他表記)Jiao-fang-ji

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教坊記」の意味・わかりやすい解説

教坊記
きょうぼうき
Jiao-fang-ji

中国,唐代の教坊の記録。唐の崔令欽の著。1巻。玄宗在位期 (712~755) に成立。音楽愛好家であった玄宗によって拡張された教坊では,3000の宮妓が中国の伝統音楽や西域からの外来音楽の教習に従事したが,本書はその見聞記であり,教坊の組織,音楽の演出法,妓女たちの逸話を記し,さらに当時あった三百余の楽曲の名を列挙したもの。唐代音楽の研究,および教坊の内容を知るうえでの貴重な資料となっている。

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世界大百科事典(旧版)内の教坊記の言及

【教坊】より

…唐朝教坊には,太常寺より転属してきた男性楽人がおもに器楽にたずさわり,小劇や演芸曲芸をするものもいたが,重要なのは歌舞を演じる官奴の女性楽人であった。唐,崔令欽(さいれいきん)の《教坊記》は4種類に分けられている。色芸最もすぐれた内人(前頭人),琵琶など弦楽器を本来専業とする良民出身の搊弾家(しゆうだんか),それに宮人と雑婦女(見習い)である。…

※「教坊記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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