散伎郷(読み)さぬきごう

日本歴史地名大系 「散伎郷」の解説

散伎郷
さぬきごう

和名抄」東急本・高山寺本ともに訓を欠く。同書の讃岐国の訓に「佐奴伎」とあり、また大和国広瀬郡散吉郷を讃岐とも書く例から考えれば「さぬき」と訓じてよいと思われる。

一般に現塩谷町佐貫さぬきを遺称地とし、この付近に比定する。佐貫にある佐貫磨崖仏上部の岩窟内から発見された建保五年(一二一七)二月三日の日付をもつ銅版曼荼羅銘に「氏家郡讃岐郷」とあり、当地付近が中世には氏家うじいえ郡と称された郡に属するとともに、佐貫の地名が鎌倉初期にさかのぼることを知ることができる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android