朝日日本歴史人物事典 「斎部浜成」の解説
斎部浜成
平安初期の官人。延暦22(803)年3月,忌部を斎部に改めているが凶事を連想させる「忌」の字を避けたものか。時に平安京右京に在住。同年7月,遣新羅使(時に正六位上民部少丞)として派遣されたが,以後の消息は不明。『古語拾遺』(宮内庁書陵部所蔵の明応本)の識語には,「浜成が作る所の天書は,古事記に非ず。別書なり」とあり,浜成を『天書』の選述者と伝えている。『古語拾遺』を選進した斎部広成を浜成の子とする系図もある。
(瀧浪貞子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報