山川 日本史小辞典 改訂新版 「新羅使」の解説
新羅使
しらぎし
古代,朝鮮半島にあった新羅国から日本に派遣された外交使節。初見は「日本書紀」神功皇后5年の汙礼斯伐(うれしほつ)で,「日本書紀」には大化前代に姓名不詳の者をあわせて30例余がみえる。6~7世紀には金春秋(きんしゅんじゅう)らの有力者も来朝した。唐帝国の勢力拡張に共同で対抗するために統一新羅側が日本に譲歩したらしく,頻繁な来朝があった。8世紀になると,日本は新羅を従属国とみようとしたため,新羅との間に緊張がうまれた。王子と称する金泰廉(きんたいれん)の来朝(752年)や交易などもみられたが,しだいに疎遠となり,9世紀初めには公式使節の来日は途絶えた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報