国指定史跡ガイド 「斐太遺跡群」の解説
ひだいせきぐん【斐太遺跡群】
新潟県妙高市、上越市にある古墳時代初期の集落跡。指定名称は「斐太遺跡群 吹上遺跡(ふきあげいせき) 斐太遺跡(ひだいせき) 釜蓋遺跡(かまぶたいせき)」。妙高市宮内・雪森にある斐太遺跡は頸城(くびき)平野南西縁の丘陵尾根上の平坦部に位置し、3地区に分かれて存在する。北側に位置する百両山の丘陵頂部に47の窪みが残され、その大部分は竪穴(たてあな)住居跡と推定されている。同様の窪みは上ノ平地区と矢代山地区にも残されており、これらは、弥生時代後期あるいは古墳時代初期に営まれた集落が埋まり切らず、浅い窪みとなって住居跡、空濠跡を残している点で注目されるだけでなく、この時期の集落の構造などを具体的に知るうえで重要な遺跡とされ、1977年(昭和52)に国の史跡に指定された。2005年(平成17)年には弥生時代中期中葉に始まる大規模な玉造りを行った集落跡(上越市稲荷の吹上遺跡)と弥生時代終末期に始まる当地域初となる低地の大規模環濠集落(上越市大和の釜蓋遺跡)が追加指定を受けて、斐太遺跡群と名称変更が行われた。斐太遺跡へは、JR信越本線新井駅から車で約10分。