新紙幣(読み)しんしへい

精選版 日本国語大辞典 「新紙幣」の意味・読み・例文・類語

しん‐しへい【新紙幣】

  1. 〘 名詞 〙 明治五年(一八七二)から発行された政府紙幣。洋式印刷紙幣として日本最初のもの。額面は一〇〇円、五〇円、一〇円、五円、二円、一円、半円、二〇銭、一〇銭の九種。一〇銭は明治二〇年六月末限り、他は同三二年一二月末限り通用禁止。ドイツのフランクフルト市のドンドルフ‐ノーマン社に注文したもので、俗に「ゲルマン紙幣」と呼ばれた。
    1. 新紙幣
      新紙幣
    2. [初出の実例]「新紙幣去月十五日御発行の儀御達し相成候」(出典:東京日日新聞‐明治五年(1872)三月一三日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の新紙幣の言及

【貨幣】より

…【作道 洋太郎】
[近代日本の貨幣法制]
 安政の開港により,日本へのメキシコ・ドルの流入と日本からの金貨の流出が激化し,貨幣制度は大混乱に陥った。明治新政府は,この混乱を静め,その経済基盤を確立するために,1868年太政官札(金札)の発行を布告したのを手はじめに,69年,民部省札,71年,大蔵省兌換証券,72年,新紙幣,開拓使兌換証券,81年,改造紙幣等々の紙幣を発行した。硬貨に関しては,当面,江戸時代の旧制によるとされたが,1869年以降,従来の四進法から十進法への変更,銀本位制ないしは金本位制の採用等々が種々検討された結果,71年の新貨条例により,金単本位制が採用されることとなった。…

※「新紙幣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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