普及版 字通 「无」の読み・字形・画数・意味
无
4画
(異体字)無
12画
[字訓] ない・なし
[説文解字]
[字形] 象形
(亡)(ぼう)の異体字。は屍骨の象。〔説文〕は部十二下に無に従う字をあげ、「なり。に從ひ、無(む)聲」とし、その重文として无をあげ、「奇字无、元にずるなり。王のに、天の西北に屈するを无と爲す」というが、无はもと屈屍の象で、と同字。金文の〔越王鐘〕に「まで疆(むきやう)ならんことを」のを无の形に作る。〔易、无妄〕など、〔易〕に多くこの字を用いる。〔荘子〕にも用字例が多く、この字は楚・越など、南方で行われたものであろう。
[訓義]
1. ない、なし、なかれ。
2. 亡の異体字。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕无 ナシ・ナケン・ナミス・ナクモガ 〔字鏡集〕无 ナシ・ナミス・ナクモガ・ナケム・ムナシ
[語系]
无・無・毋miuaは同声。罔miuang、mak、靡miai、蔑miat、未・勿miutもみな声近く、否定詞に用いる。无・は屍骨の象であるから、もと虚無の意を含む字である。
[熟語]
无位▶・无為▶・无咎▶・无窮▶・无疆▶・无▶・无方▶・无名▶・无妄▶・无悶▶・无憂▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報