国指定史跡ガイド 「旧弘道館」の解説
きゅうこうどうかん【旧弘道館】
茨城県水戸市三の丸にある旧水戸藩の藩校跡。1841年(天保12)に徳川斉昭(なりあき)によって水戸藩の藩校として開かれた。武芸一般に加えて医学、薬学、天文学、蘭学など幅広い学問を取り入れた教育で、第15代将軍徳川慶喜(よしのぶ)も幼少時からここで学んだ。明治維新後、文武その他の学寮などが取り払われ、敷地も縮小され、さらに第二次大戦で孔子廟(こうしびょう)、鹿島神社、八卦堂などが焼失したが、正庁、至善堂、孔子廟の戟(げき)門、弘道館記の碑などが残る。1922年(大正11)に国の史跡に指定され、1952年(昭和27)に特別史跡となった。正庁、至善堂、正門は国の重要文化財に指定されている。現在は、梅の名所としても名高い。JR常磐線ほか水戸駅から徒歩約10分。