明暮(読み)あけくれ

精選版 日本国語大辞典 「明暮」の意味・読み・例文・類語

あけ‐くれ【明暮】

〘名〙
夜明け夕暮れ朝晩。転じて、日々。毎日。始終。副詞的にも用いる。
※竹取(9C末‐10C初)「明暮見なれたるかぐや姫をやりていかが思ふべき」
源氏(1001‐14頃)須磨「ひめ君の、あけくれにそへてはおもひなげき給へるさまの」
② (━する) あることにたえず専念すること。
シェイクスピア(1952)〈吉田健一〉ロメオとジュリエット喧嘩軽口を叩くことで明け暮れしている人物である」

あけ‐く・れる【明暮】

〘自ラ下一〙 あけく・る 〘自ラ下二〙
① 夜が明け、日が暮れる。月日が過ぎる。
蜻蛉(974頃)下「ことさわがしくてあけくるるも、人目いかにと思ふ心あるまで音なし」
② (「…にあけくれる」の形で) いつもその事をする。物事に没頭する。
※雲の墓標(1955)〈阿川弘之〉昭和一九年三月一日「モールス信号に毎日あけくれてゐる」

あけ‐くら・す【明暮】

〘他サ五(四)〙 =あかしくらす(明暮)
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「春は花をながめ、秋は紅葉をながめてあけくらすに」

あかし‐くら・す【明暮】

〘他サ五(四)〙 夜を過ごし、日を暮らす。月日を送る。毎日生活していく。
※竹取(9C末‐10C初)「もとのめどもは、かぐや姫を必ずあはんまうけして、ひとりあかし暮し給ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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