昔語(読み)むかしがたり

精選版 日本国語大辞典 「昔語」の意味・読み・例文・類語

むかし‐がたり【昔語】

  1. 〘 名詞 〙 昔の物語過去思い出話。むかしばなし。
    1. [初出の実例]「いみじきむかしがたりをし、あはれなる行末を契りしてゐ給へる」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の昔語の言及

【大蔵虎明】より

…1635,36年に詳細な注釈を付したアイ(間狂言)の詞章を,42年には230余番の狂言台本を江戸で執筆完了,45年(正保2)父の加判を得て芸事伝領者としての正統性を確立した。51年(慶安4)狂言のあり方の大要を記した《昔語(むかしがたり)》を著述(北七大夫加判)。この後,病を得て奈良に隠退する60歳ころまでは引き続き第一線の役者として活躍したが,隠居後は著述に専念したらしく,58年(明暦4)《昔語》補訂に続き,60年(万治3)にはその注釈書である《わらんべ草》5巻を一応完成,2年後に奈良で66歳の生涯を終えるまでさらに加筆を試みたようである。…

【わらんべ草】より

…江戸時代初期の狂言師大蔵虎明(おおくらとらあきら)(1597‐1662)の著。初め父虎清(とらきよ)の教訓を主に89段から成る《昔語(むかしがたり)》を1651年(慶安4)に著したが,次いで,それに抄,すなわち注釈を加えた《狂言昔語抄(きようげんむかしがたりしよう)》を編集し,さらに,これを改稿して60年(万治3)に完成したのが《わらんべ草》である。内容は89の段,および巻末の系図等から成り,能・狂言における芸道の理念,演能前後の心構えや態度,狂言の性格・内容の概観,狂言指導の心得,演能や楽屋での作法・故実,《翁》の歴史や故実など,能・狂言の基本的な事柄を広範囲にわたって説く。…

※「昔語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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