精選版 日本国語大辞典 「行末」の意味・読み・例文・類語 ゆく‐すえ ‥すゑ【行末】 〘名〙① 進んで行く末の所。はるか遠くの行きつく先。ゆくえ。ゆくさき。※竹取(9C末‐10C初)「ある時には、きしかた行すゑもしらず、うみにまぎれんとしき」※後撰(951‐953頃)恋五・九七二「流いづる涙の河のゆくすゑはつねに近江の海とたのまん〈よみ人しらず〉」② はるか先のなりゆき。今後。将来。前途。※蘇悉地羯羅経延喜九年点(909)「汝今より往(ゆクスヱ)、灌頂を授けて阿闍梨と為すに堪へぬ」※小島のくちずさみ(1353)「ありがたかりける霊運なれば、行すゑもいと頼もしかるべきことにこそ」③ おぼつかない余命。また、死期。※源氏(1001‐14頃)明石「行すゑ短かげなる親ばかりを頼もしきものにて」④ 死後の世界。来世。※宇津保(970‐999頃)菊の宴「この世にはさらにもいはず、ゆくすゑにも、草木、鳥けだものとなるとも、ともだちとこそならめ」⑤ これまでの経歴。来歴。※太平記(14C後)一八「彼の女房の行末を委(くはしく)尋て候へば、今出河右大臣公顕の女にて候なるを」 ぎょう‐まつ ギャウ‥【行末】 〘名〙 文章の行の終わり。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報