星野リゾート(読み)ほしのりぞーと

知恵蔵の解説

星野リゾート

各地で高級感ある温泉旅館やリゾートホテルを運営する企業。長野県北佐久郡軽井沢町に本社を置き、山代温泉の旧白銀屋や北海道の旧アルファリゾート・トマムなど、経営不振になった旅館やリゾート施設の再生を手掛ける。株式会社星野リゾートは非上場企業だが、2013年に「星野リゾート・リート投資法人」を設立し、星野リゾートの保有不動産を買い取って不動産投資信託(REIT)により資金を市場から調達しようとしている。
星野リゾートの源流は、1914年軽井沢で開業した星野温泉。外国人や上流階級の避暑地として開かれ始めた軽井沢に、地元の豪商で生糸業などを営んでいた星野国次(星野嘉助を襲名)が温泉旅館を開いた。21年につくられた講堂では北原白秋や島崎藤村ら文化人が集い、「芸術自由教育講習会」が開かれた。この講堂は、キリスト教指導者・内村鑑三により「星野遊学堂」と名付けられ布教の場となり、後に再建されて軽井沢ブライダルで名を馳(は)せた現在の軽井沢高原教会に引き継がれた。また、30年代には、歌人としても知られる野鳥研究家の中西悟堂が足しげく同地に通い、後に全国初の「国設 軽井沢野鳥の森」に指定され、日本のエコツーリズムの嚆矢(こうし)を自認することとなる。
現社長に、旅館業4代目に当たる星野佳路が就任したのは91年で、95年には現社名に変更。2001年に山梨県小淵沢のデザインホテル「リゾナーレ」の運営に着手、バブル期以降は、経営困難に陥ったリゾート再生事業に乗り出す。スキー場アルツ磐梯(ばんだい)やアルファリゾート・トマムの再生などで注目される。05年からは、米国大手投資銀行ゴールドマン・サックスと提携し、各地の老舗温泉旅館などの再生事業にも手を広げた。和風リゾートホテル「星のや」、小規模温泉旅館「界」、デザイナーズリゾートの「リゾナーレ」の三つのブランドを持ち、全国数十カ所で事業を展開している。この一部がREITに組み入れられた。日本における不動産投資法人は、貸しビルなどの不動産業では多数あるが、観光に特化したものとしては初めて。資産規模は数百億円と小さいものの、観光産業の不動産に一般投資家の資金を集める試みとなっている。なお、15年には初の海外進出となる「星のや バリ」(インドネシア)開設や「星野リゾート Kia Ora ランギロア」(仏領ポリネシア)運営、16年には東京・大手町にできる再開発ビルに東京オリンピック需要などを見込んだ「星のや 東京」の開業などを予定している。

(金谷俊秀 ライター/2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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