春日倉老(読み)かすがのくらのおゆ

朝日日本歴史人物事典 「春日倉老」の解説

春日倉老

生年生没年不詳
奈良時代の官人で僧侶,万葉歌人としても著名。僧名は弁基または弁紀といった。大宝1(701)年に還俗して姓を春日倉首(または春日蔵首),名を老と与えられた。『万葉集』には弁基の歌とされるものが1首あり,また春日倉首老の歌が7首ある。その他『懐風藻』には五言絶句の漢詩が1首残されている。和銅7(714)年,正六位上から従五位下に叙位され,次いで常陸介に任命されたらしいが,それ以外の官人としての経歴はつまびらかにしない。しかし『常陸国風土記』の編者のひとりではなかったかともいわれている。春日倉首氏は,大和国添上郡に本拠を持っていた春日氏の一分派であり,和珥(和邇)氏の系統をひくものと思われる。

(鬼頭清明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「春日倉老」の解説

春日倉老 かすがのくらの-おゆ

?-? 飛鳥(あすか)-奈良時代の官吏,歌人。
僧であったが,大宝元年(701)還俗(げんぞく)して春日倉首(おびと)の氏姓をあたえられ,追大壱をさずけられる。和銅7年常陸介(ひたちのすけ)となる。「万葉集」に歌8首,「懐風藻」に漢詩1首がおさめられている。法名は弁基,弁紀。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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