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飛鳥 あすか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

飛鳥
あすか

明日香」とも書く。現在の奈良県高市郡明日香村を中心とする古代飛鳥の地は,ほぼ大和国高市郡賀美郷,遊部郷などにあたる。その地域は源を稲淵山に発し,明日香村を貫流する飛鳥川をはさみ,大和三山 (耳成山,天香具山,畝傍山) によって囲まれた奈良盆地南東部一帯。『古事記』や『日本書紀』によれば,古く允恭天皇の遠飛鳥宮,顕宗天皇の近飛鳥宮 (飛鳥八釣宮) や宣化天皇の檜隈廬入野宮 (ひのくまいほいりののみや) などが営まれたと伝えられる。そののち,推古天皇の豊浦宮 (592) ,舒明天皇飛鳥岡本宮 (630) ,皇極天皇の飛鳥板蓋 (いたぶき) 宮 (643) ,斉明天皇 (皇極天皇の重祚) の飛鳥板蓋宮 (655) ,飛鳥川原宮 (655) ,後飛鳥岡本宮 (656) ,天武天皇飛鳥浄御原宮 (672) ,持統天皇の藤原宮 (694) など,皇居が多く構えられた。藤原宮は元明天皇が和銅3 (710) 年に平城京へ遷都するまで継続し,長い間,大和朝廷の政治,文化の中心地であった。そのため,この地には古刹,旧跡などの文化遺産や古伝承も少くない。斉明1 (655) 年に建立された川原寺 (弘福寺) 跡,推古 25 (617) 年聖徳太子の建立にかかる大官大寺 (百済大寺,大安寺) 跡,蘇我馬子によって創建された飛鳥寺 (本元興寺) 跡,定林寺跡,檜隈寺跡などは,いずれも史跡に指定されている。允恭天皇が「盟神探湯 (くかたち) 」によって,氏姓をただしたという伝説の地,甘橿丘 (あまかしのおか) もこの明日香村にある。そのほか,文武天皇以前の山陵も多い。また,古墳も数多く存在し,中尾山古墳,石舞台古墳,岩屋山古墳,牽牛子塚古墳,高松塚古墳など,特別史跡や史跡の指定を受けている。飛鳥は万葉地名として知られる「万葉の里」でもある。

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デジタル大辞泉の解説

あすか【飛鳥/明日香】

奈良県高市郡明日香村のこと。また、その付近一帯の称。推古朝以来百余年、都が置かれ、橘寺(たちばなでら)石舞台古墳高松塚古墳など史跡が多い。
[補説]「飛鳥」の表記は、「あすか」にかかる枕詞「とぶとりの」の「とぶとり」を当てたもの。書名別項。→明日香

ひ‐ちょう〔‐テウ〕【飛鳥】

空を飛んでいる鳥。また、非常に動作の速いさまをたとえていう。「飛鳥の早業(はやわざ)」

あすか【ASCA】[Advanced Satellite for Cosmology and Astrophysics]

Advanced Satellite for Cosmology and Astrophysics》平成5年(1993)2月に打ち上げられたX線天文衛星ASTRO-D(アストロディー)の愛称。宇宙科学研究所(現JAXA(ジャクサ))がぎんが後継として開発。幅広いエネルギー領域のX線に対応するX線望遠鏡、広視野のX線撮像装置を搭載。ブラックホール周囲の降着円盤の内側から放射されるドップラー効果を伴うX線、宇宙のX線背景放射、M81銀河に出現したばかりの超新星の観測などを行った。平成13年(2001)3月に運用完了。

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百科事典マイペディアの解説

飛鳥【あすか】

奈良県北西部,奈良盆地南端,高市郡明日香(あすか)村付近一帯の地域名。飛鳥川が北流し,北には大和三山がある。大和朝廷の中心地で,藤原京跡,飛鳥京跡橘寺,石舞台古墳などの史跡に富む。
→関連項目橿原[市]磯長谷大和国

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デジタル大辞泉プラスの解説

飛鳥

日本の客船。全長192.815メートル。総トン数2万8856トン。旅客定員610人。1991年10月竣工。約100日間の世界一周クルーズで知られ、豪華客船の代名詞となる。2006年2月に売却(現・ドイツ船籍「AMADEA(アマデア)」)。後継に「飛鳥II」がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

あすか【飛鳥】

奈良盆地南東部の歴史的地名。明日香とも書く。飛鳥の用字は枕詞〈飛ぶ鳥の〉をあてたもの。一般には高市郡明日香村の東部と橿原市の一部のかなり広い地域をよんでいるが,本来は天香久山の南,橘寺・寺に至る間の低い丘陵に囲まれた小範囲をさし,中央を飛鳥川が流れる。語源については,アは接頭語,スカは住処で,集落の意とする説など諸説あるが,定かでない。この地域には,早く允恭天皇の遠飛鳥宮,顕宗天皇の近飛鳥宮が営まれたとも伝えるが,7世紀のはじめ,推古天皇が豊浦宮で即位し,さらに近くに小墾田宮(おはりだのみや)を造営して以後,舒明天皇の飛鳥岡本宮,皇極天皇の飛鳥板蓋(いたぶき)宮,斉明天皇の飛鳥川原宮・後飛鳥岡本宮,天武天皇の飛鳥浄御原(きよみはら)宮など〈飛鳥〉を冠する宮室がつぎつぎと営まれ,孝徳朝の難波遷都と天智朝の近江遷都の短期間を除き,694年(持統8)の藤原京遷都までここが日本の古代政治の中枢となり,律令制国家もここを基点に誕生した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

飛鳥
あすか

明日香、安須加、安宿などとも書かれた。もっともよく知られるのは、奈良盆地の南東部、現在の奈良県高市(たかいち)郡明日香村。「あすか」の地は、ほかに奈良県で10か所、大阪府、京都府で各3か所、岐阜県で2か所、長崎県、広島県、和歌山県、三重県、静岡県、東京都、山形県、青森県などにもある。「あすか」の音のおこりは、安宿の朝鮮音アンスクから転訛(てんか)したとの説もあるが、スカ(スガ)=浄地にアの接頭語がついたものとみられる。
 大和(やまと)の飛鳥は、古代には飛鳥川の東岸をいい、すでに弥生(やよい)文化の遺物も認められるが、灰褐色、黄褐色土壌群に開発が進んだのは5世紀後半以来であった。これには北方系の乾田農法の技術が用いられたとみられ、この開発をさらに推し進めたのは蘇我(そが)氏を中心とする人々であった。以後、飛鳥川の流域一帯が、古代統一国家形成の主舞台となった。飛鳥に大和国家の王宮が置かれたのは、伝承的な遠飛鳥宮(とおつあすかのみや)(允恭(いんぎょう)天皇)を最初とし、近飛鳥八釣(ちかつあすかのやつり)宮(顕宗(けんそう)天皇)、飛鳥岡本宮(舒明(じょめい)天皇)、飛鳥板蓋(いたぶき)宮(皇極(こうぎょく)天皇)、後飛鳥岡本宮(斉明(さいめい)天皇)、飛鳥川原宮(同)、飛鳥浄御原(きよみはら)宮(天武(てんむ)天皇)である。これに飛鳥川西岸の豊浦(とゆら)宮(推古(すいこ)天皇)、小墾田(おはりだ)宮(同)、田中宮(舒明天皇)などを加えていう場合もある。周辺には渡来人も多く住み、この地で創出された6世紀末から7世紀中葉過ぎまでの文化を飛鳥文化という。[門脇二]
『佐藤小吉著『飛鳥誌』(1944・天理時報社) ▽門脇二著『飛鳥』(NHKブックス)』

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世界大百科事典内の飛鳥の言及

【倭京】より

…藤原京以前に飛鳥を中心に存在したと想定される京の仮称。6世紀末に推古天皇が豊浦(とゆら)宮で即位し,ついで小墾田(おはりだ)宮に移って以後,天武天皇の飛鳥浄御原宮に至るまでの間,飛鳥を中心につぎつぎと宮室が営まれた。…

※「飛鳥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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