昼狐(読み)ヒルギツネ

デジタル大辞泉 「昼狐」の意味・読み・例文・類語

ひる‐ぎつね【昼×狐】

昼間、巣の外へ出るキツネの意から》あつかましい人やきょろきょろして落ち着きのない人をあざけっていう語。
さてもさても―めかな」〈ひとりね・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「昼狐」の意味・読み・例文・類語

ひる‐ぎつね【昼狐】

〘名〙
① 昼間、動き回っている狐。日中、巣から出ている狐。
※米沢本沙石集(1283)五末「しらけてみゆるひるきつねかな」
② (夜行性の狐が昼間に外に出ているというところから) 場違いの人にたとえていう。
(イ) 図々しくかまえている人をののしっていう。
※俳諧・青根が峯(1698)贈落柿舎去来書「例の昼狐(ヒルギツネ)はやし侍れば、罪もすくなからん」
(ロ) 気の抜けてぼんやりした人。
浄瑠璃・後三年奥州軍記(1729)三「母上女房、戻ったとうっそり立た昼狐、ヤヤ我夫か我子かと」
③ (「狐」は遊女娼妓の意) 昼間の遊女。
※慶長見聞集(1614)七「誠に江戸よし原の昼狐には」
④ 遊里で、昼間に遊女を買うこと。また、昼間だけ遊女を買って夜には帰る客をいう。
黄表紙・玉磨青砥銭(1790)「ひるぎつねをおいだしたやうに、そねへにはやくひるみせへでられんすものか」
⑤ きょろきょろして落ちつかない人をののしっていう語(東京語辞典(1917))。

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